新・イジメ.COM
☆☆☆

あたしたち2人がガケに到着した時、そこには数人の先生の姿があった。


その中には田中先生の姿もあり、視線がぶつかった瞬間嫌な予感が胸をよぎった。


「田中先生……」


「自分たちの目で確かめろ」


質問をする前にそう言われ、あたしは顔を見合わせた。


まさか……!


最悪の事態が予想される中、あたしと克己は崖へと近づいた。


数日前に降りた崖下へと視線を向けるとまずボートの端が見えた。


しかしそれはあたしたちが乗ろうとした青いボートではなくて、真っ赤なボートだった。


別物だろうか?


そう思って更に崖下を覗き込んだ瞬間……。


白目をむいている男子生徒と目があった。


その横にはうつ伏せになって倒れている男子生徒もいる。


2人とも手足、胴体がバラバラに引きちぎられていて、その血でボートが真っ赤に染まっているのだとわかった。


サメに食われたあと、あえてボートに乗せられた様子だ。


「うっ……」


あまりの光景に口を押えてその場にうずくまった。
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