新・イジメ.COM
☆☆☆

どうにか解放されて学校へ向かうと、朝のホームルームが終ったところだった。


「真奈美、大丈夫か?」


真っ先に声をかけてきてくれたのは克己だった。


「うん……」


そう答えてから、医療棟で言われた事を思い出した。


『次はないわよ』


それは克己と2人で脱出しようとした時、言われた言葉と同じだった。


「そうだ、みんなに伝えなきゃ」


「伝えるってなにを?」


克己からの問いかけを無視してあたしは教卓の前に立った。


「みんな聞いて!」


私語をしているクラスメートたちに、できるだけ大きな声でそう言った。


教室にいる大半の生徒たちがこちらに注目してくれている。


「あたし、今日はどうしても学校に来たくなくて、仮病を使ってこのまま休んじゃおうと思ったの。でも、寮の先生が部屋に入って来て、ちゃんと検査をしようって言われて医療棟に連れていかれた」


あたしの話を、みんがちゃんと聞いてくれているのがわかった。


この学校で関係のある話だから、真剣になってくれているのだろう。
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