新・イジメ.COM
涙を我慢しようと目の奥に力を入れて見ても、あまり意味がなかった。


溢れだした涙は止まらない。


「あ~あ、泣いちゃった!」


渚の楽し気な声に、クラスメートの笑い声が沸き起こった。


「女ってすぐ泣くからうっとうしいんだよなぁ」


克己はそう言い、あたしの机を思いっきり蹴り上げた。


机は横倒しに倒れて、中の教科書類が散乱する。


更にそれを踏みつける克己。


あたしの教科書やノートはあっという間に黒くなっていく。


こんなことされても我慢できるのに、『別れよう』という一言のせいで、あたしの涙はいつまでも止まらなかったのだった。
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