新・イジメ.COM
☆☆☆

それからも克己からのイジメは続いた。


暴言を吐かれたり物を隠されたり。


暴力こそなかったけれど、それはイジメのなにものでもなかった。


その中で一番驚いたのはクラスメートたちの反応だった。


今まではメールが届いて命令を受けた生徒たちを、可愛そうな目で見ていた。


けれど、今日は渚に混ざって楽しんでみているように見えたのだ。


下手をすれば他の生徒たちから危害を加えれるんじゃないか?


そんな不安を覚えたほどだ。


「ちょっと渚! なんで克己にくっついてるの?」


トイレから出る寸前、渚が入って来たのであたしは勇気を出してそう聞いた。


「くっついてなんかないよ。あんなやり方じゃイジメとして認められないかもしれないから、ちょっと手助けしてるだけじゃん」


渚は何でもないようにそう言った。


「手助けって……」


確かにそうなのかもしれない。


だけど、あたしには渚が楽しんでいるようにも見えていたので、信じられなかった。
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