新・イジメ.COM
☆☆☆

教室へ戻るとクラスメートたちの視線を感じて、あたしは立ち止まった。


克己を見るとニヤついた笑みを浮かべている。


背中に嫌な汗をかきながらそっと自分の席へ近づいていくと、机にマジックで落書きをされているのがわかった。


『ブス!』


『勘違い女!』


このくらいのイジメ、どうってことはなかった。


克己が助かるのなら耐える事ができる。


でも……。


あたしはそっと書かれた文字に触れた。


丸っこくて可愛い、女の子の文字であることは一目瞭然だった。


これを書いたのは克己じゃない。


仕方なく行われているイジメとは違う悪意を感じて背筋が震えた。


「渚だよ」


あたしの後ろを通り過ぎる瞬間、美文が小声でそう言った。


渚……!
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