新・イジメ.COM
「大丈夫だよ。克己だって仕方なくイジメてるだけだし」


あたしはそう言って笑顔を浮かべた。


けれど、自分でもその笑顔がひきつっていると理解できるくらい、ブサイクな笑い方だった。


その瞬間、畠平さんがあたしに両手を伸ばして来た。


キョトンとしたあたしの体を両手が包み込む。


「きっと、明日になれば元通りだから」


そう言ってあたしの頭を何度も撫でた。


まるで彼氏に撫でられているような気分になって、急に照れくささを感じた。


けれどあたしは逃げなかった。


畠平さんの手の温もりのおかげで、胸のトゲトゲが少しずつ抜けて行くような気がする。


「ありがとう。早退もできないみたいだから、教室へ戻らないと」


あたしの声はさっきよりも元気なものになっていた。


こういう時に人の優しさに触れると、一気に気分が変わる者なのだと初めて知った。

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