新・イジメ.COM
☆☆☆

1組の教室へ戻ると、渚がニヤついた笑みを浮かべて出迎えた。


あからさまに『あたしがやりました』と、言っているようなものだった。


だま落書きがされたままの机に座り、教科書を取り出す。


開いてみると、中はマジックで真っ黒に塗りつぶされた状態だった。


一瞬、ショックで呼吸が止まる。


だけどあたしは奥歯を噛みしめて涙を耐えた。


このくらいのことなら、あたしだってやってきた。


あたしは被害者である前に、加害者なんだ。


昔イジメていた子たちの傷の深さを知る、いいきっかけになったと思わなきゃいけない。


自分1人が被害者みたいな顔するわけにはいかない。


自分自身にそう言い聞かせたのだった。
< 175 / 242 >

この作品をシェア

pagetop