新・イジメ.COM
☆☆☆

放課後になり、あたしはようやく解放されて大きく息を吐きだした。


たった6時間の授業が永遠のように長く感じられた。


「真奈美!」


田中先生が教室を出ると同時に克己があたしへ駆け寄って来た。


「克己……」


思わず身構えてしまう自分が悲しい。


「今日はごめん」


そう言って深く頭を下げて来る克己にあたしは笑顔になれた。


よかった。


いつもの克己だ。


「ううん。命令だったんだから仕方ないよ」


「指、大丈夫だったか?」


絆創膏を貼った指を見て克己が心配そうに聞いてくる。


「少し切れただけ」


「そっか、良かった」


ホッとしたようにそう言う克己の隣を、渚が通り過ぎて行った。


あたしは自然と渚へ視線を向ける。


渚は刺すような冷たい眼差しをこちらへ向けていたのだった。
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