新・イジメ.COM
美文はあたしの隣に座ると「渚も真奈美をイジメたの」と、麻子ちゃんに説明した。


「嘘」


麻子ちゃんは目を丸くして驚いている。


「イジメっていっても、大したことじゃないよ? だから大丈夫」


あたしは慌ててそう言った。


あたしと渚と美文の関係はギクシャクしているから、麻子ちゃんまで巻き込みたくなかった。


「陽太君が死んだから、きっと真奈美に嫉妬してるんだよ」


美文はそう言って腕組みをした。


「そんな……」


陽太君が死んでしまったのはあたしと克己の責任でもある。


けれど、それは言えなかった。


「あたしは絶対に渚を許さない」


ひどいイジメられ方をした美文は、渚への怨みが一層増しているように見えた。


あたしを見方につけておきたいという魂胆も、見え見えだ。


「畠平さんも、渚には気を付けて」


美文は低い声でそう忠告をすると、談話室を出て行ったのだった。
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