新・イジメ.COM
☆☆☆

それから渚イジメはヒートアップしていた。


もう誰も渚を守ってはくれない。


「渚の歯並びって汚いよねぇ?」


3時間目の授業が終わってすぐ、美文が渚へ向けてそう言った。


坊主頭にされた渚は反論する気力も残っていないようで、机に座って俯いたままだ。


「それなら、治してあげたら?」


面白そうだから、あたしも渚の前に立ってそう言った。


渚がようやく顔を上げたが、その表情は恐怖で歪んでいる。


「治すってどうやって?」


美文がそう聞いて来たので、あたしは顔を近づけて耳打ちをした。


「あははは! なるほど! それいいね」


お腹をかかえてケラケラと笑い出す美文。


我ながらいいアイデアだと思う。


「じゃあ、行こうか」


美文が渚の手を取って無理矢理立たせた。


「行くってどこへ?」


「ついてからのおたのしみ」

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