新・イジメ.COM
☆☆☆

それから放課後まではとても穏やかだった。


美文のイジメ動画も投稿できたし、なにも問題はなかった。


「行ってみようか」


「うん」


放課後のチャイムが鳴ると、あたしと美文の2人は倉庫へと向かった。


あれから渚がどうなったか身物だ。


大泣きしているかもしれない。


ウキウキとした気分で倉庫のドアを開けてみると、中はとても静かだった。


渚の泣き声は聞こえてこないし、さっき倉庫を出た時となんの変化もなかった。


「なんだ、まだ気絶してるのか」


思っていた状況と違っていたため、落胆しながら渚へ近づく。


「ねぇ、いい加減起きれば?」


そう声をかけて渚の体を蹴とばす。


渚の体は蹴った拍子に少し揺れて、そして止まった。


しっかりと閉じられた目は開かず、横になっているだけではなく、グッタリとしているようにも見えた。


「渚?」


美文がそう声をかけて、渚の口に入れていたハンカチを取り除いた。
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