新・イジメ.COM
そう怒鳴ると、麻子ちゃんが驚いた顔をこちらへ向けて来た。


仕方なく、克己からのメッセージを麻子ちゃんにも見せることになった。


「あたしたちは人殺しだよ? 彼氏に振られるくらいで済むならいいと思うけど?」


美文は冷静な声で言った。


普通に考えればそうかもしれない。


罪に問われることもなく、いつも通りの生活を続けることができるのだから。


「でも……」


「どうしたあんな彼氏のことを気にしてるの?」


美文にそう言われてあたしはまた昨日の出来事を思い出していた。


渚と2人であたしをイジメていた克己。


揚句、今日は渚のことを助けようとしていた。


「あたしもそう思うよ?」


麻子ちゃんの言葉にあたしは「え?」と聞き返した。


「真奈美ちゃんにはもっといい人がいると思う。ちゃんと守ってくれるような人が」
< 199 / 242 >

この作品をシェア

pagetop