新・イジメ.COM
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「やばっ。ヘアゴム忘れてきちゃった」
体育館へ集合したところであたし、吉谷真奈美(ヨシタニ マナアミ)はそう呟いた。
今朝寮を出る時にポケットに入れたと思っていたのに、自分の思い過ごしみたいだった。
昨日呼んだ学校案内と校則の中には、肩にかかるくらいの髪の毛はゴムでまとめることと書かれていたのに。
「どうしたの真奈美?」
志田渚(シダ ナギサ)が小声でそう訊ねて来た。
渚とあたしは中学からの友達で、この浅川高校に一緒に推薦合格した。
「ヘアゴム忘れちゃって……」
「そうなんだ? でも、ちょっとくらい平気でしょ?」
髪の毛をくくるかくくらないかくらい、きっと多めに見てくれるだろう。
だけどあたしはこの浅川高校への入学が決まった時、心に決めたことがあるのだ。
もう自分の好き勝手をして生きるのはやめようと。
中学時代は先生や親の言うことなんて聞かず、校則なんてどうでもいい存在だった。
けれど真新しい浅川高校への推薦入学が決まったとき、こんな自分でも必要としてくれる人がいるのだと知った。
「やばっ。ヘアゴム忘れてきちゃった」
体育館へ集合したところであたし、吉谷真奈美(ヨシタニ マナアミ)はそう呟いた。
今朝寮を出る時にポケットに入れたと思っていたのに、自分の思い過ごしみたいだった。
昨日呼んだ学校案内と校則の中には、肩にかかるくらいの髪の毛はゴムでまとめることと書かれていたのに。
「どうしたの真奈美?」
志田渚(シダ ナギサ)が小声でそう訊ねて来た。
渚とあたしは中学からの友達で、この浅川高校に一緒に推薦合格した。
「ヘアゴム忘れちゃって……」
「そうなんだ? でも、ちょっとくらい平気でしょ?」
髪の毛をくくるかくくらないかくらい、きっと多めに見てくれるだろう。
だけどあたしはこの浅川高校への入学が決まった時、心に決めたことがあるのだ。
もう自分の好き勝手をして生きるのはやめようと。
中学時代は先生や親の言うことなんて聞かず、校則なんてどうでもいい存在だった。
けれど真新しい浅川高校への推薦入学が決まったとき、こんな自分でも必要としてくれる人がいるのだと知った。