新・イジメ．COM
☆☆☆

放課後になり、ようやく生から解放されたあたしは１人で学校を出た。


体にだるさを感じて、早く寮に戻って横になりたい気分だった。


そして何よりシャワーを浴びて体を綺麗にしたい。


早足で寮へ向かって歩いていると、見慣れた後ろ姿を見つけて歩調が緩くなった。
あれは克己だ。


中学時代から付き合っているのだから、その後ろ姿を見間違いようがなかった。


克己は髪の長い女子生徒と２人で並んで歩いている。


その距離はとても近くて、違和感があった。


あたしは再び歩調を速めて２人に近づいた。


克己と一緒に歩いている女子生徒が誰なのか、確認してやろうと思って。


２人を通り過ぎる瞬間、あたしは横目で女子生徒の顔を確認した。


同時に息が止まる。


心臓が大きく跳ねて、嫌な汗が流れて行った。


しかし歩調は緩めずそのまま２人を追い越して歩く。


なんで……？


口の中はカラカラに乾いていた。


それくらい衝撃的だった。


なんで、麻子ちゃんが克己と一緒に帰ってるの？

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