新・イジメ.COM
☆☆☆

「誤解させてたらごめんね? 塚本君と一緒に帰ってたけど、深い意味があるわけじゃないから」


廊下の奥へと移動して来ると、麻子ちゃんはそう言った。


「あたしがいたこと、気が付いてたの?」


「うん。早足に通り越して行っちゃったから、声をかけられなかったの」


「そっか……」


それならやましいことはなにもなさそうだ。


そもそもあたしと克己はもう別れているから、麻子ちゃんにどうこう言う立場じゃない。


けれど、麻子ちゃんはこうして自分から説明してくれているのだから、信じても大丈夫そうだった。


「まだ好きなんだよね?」


そう聞かれると、自分の顔がカッと熱くなるのを感じた。


「そうだね……。でも、もうダメだと思う」


どういう理由であれ、あたしは今生の彼女だ。


もしかしたら克己は、生からそのことを聞いているかもしれない。


「そんな……」


「大丈夫だよ。克己のことはすぐに忘れるから。だから麻子ちゃんも気にしなくていいよ」


そう言わなければ泣いてしまいそうだった。
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