新・イジメ.COM
克己は悲鳴を上げ、額に脂汗を浮かべている。


目には涙がたまっていて、必死に助けを求めているのがわかった。


「次はどこがいい? 指の骨を一本ずつ折っていくか?」


挑発するように克己へそう聞く生。


生は終始おかしそうな笑顔を浮かべたままだ。


このままじゃ本当に克己が死んでしまう。


そう考えて、体中が寒くなった。


「今殺したら、イジメられなくなるよ?」


そう言ったのは麻子ちゃんだった。


いつの間に登校してきたのか、廊下に立っていた。


「まだ授業も始まってないし、もっとゆっくりやらなきゃ」


麻子ちゃんの言葉に生は動きを止めて顔を上げた。


「放課後までロッカーに閉じ込めておくのもありかもよ? 2人がやったみたいにハ
ンカチを噛ませておけば勝手に窒息死するかも」


麻子ちゃんの言葉にあたしは渚の最期の姿を思い出していた。


ハンカチを入れられた状態で嘔吐したため、喉に詰まってそのまま死んでいた。
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