新・イジメ.COM
☆☆☆

「嫌だ……こんなの嘘だ……」


どうにか寮へ戻ってきたあたしは頭から布団を被って震えていた。


克己が死んだ。


あたしの目の前でサメに食べられて死んだ。


「嘘だ……」


ギュッと掛け布団を握りしめて呟く。


あんなのは悪い夢だ。


朝になったらきっと元通りになっているはずだ。


「あたしが、生と脱出しようとしたから……?」


違う!


あたしは知らなかった。


克己が来るなんて、考えてもいなかった!


でも結果的に克己を巻き込み、そして殺してしまった。


克己が死んだ実感なんでまだないのに、恐怖と苦しさで涙がこぼれた。


どうか、どうかこれが夢でありますように……。
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