新・イジメ.COM
☆☆☆

翌日、部屋のノック音がきこえてきてあたしは布団から顔を出した。


一睡もしていないが、いつの間にか朝になっている。


「真奈美、学校に行くよ」


その声は麻子ちゃんだった。


あたしは涙をぬぐい、布団からどうにか這い出た。


「ごめん、今日はちょっと……」


「仮病を使ったらどうなるか、わかってるんでしょ?」


ドア越しの会話なのに、麻子ちゃんはお見通しのようにそう言った。


仮病を使えば『次はない』。


それを忘れたわけじゃなかった。


でも、制裁を受けるのならそれでもよかった。


もう、なんでもいいんだ。


「夜中の出来事はもうみんな知ってる」


その言葉にあたしはビクリと体を震わせた。


やっぱり、監視が薄いなんて嘘だったんだ。


先生たちは全部見ていて、知らないフリをしているだけだ。


それもこれも、視聴者を楽しませるために。
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