新・イジメ.COM
それから10分後、1組の生徒は全員イジメ.COMのダウンロードを完了していた。


これがどんなアプリなのか知りたいけれど、勇気を出して手を上げる生徒は1人もいなかった。


「よぉし。1組の生徒は全員ダウンロードしたみたいだな。よかったよ、お前らがそこまでのバカじゃなくてよぉ」


田中先生はそう言い、楽し気に笑い声を上げる。


完全に見下されているのがわかって、あたしは下唇をかみしめた。


どうしてこんな思いをしなければならないんだろう……。


そう思った時だった、突如スピーカーからサイレンのような甲高い音が響き渡り、あたしはビクリと体を撥ねさせた。


「な、なに!?」


思わずそう呟き、教室内を確認する。


しかし、特に変わった様子はない。


《ダウンロードが完了していない生徒が1人います。1年3組佐野茂君。退学です》


アナウンスの感情のこもらない声。
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