新・イジメ．COM

嫌な空気が１組の中に充満しているのがわかった。


ついさっきまで窓の外の景色を眺めてとても気分が良かったのに、今は呼吸さえ苦しく感じられる。


今すぐこの教室を出て行ってしまいたい衝動にかられたが、それを押し込めて教卓へ視線を向ける。


「まぁ、退学になるとどうなるか、ちゃんと見ておいてもらうおうか」


田中先生はそう言うと、教室前方にあるモニターを付けた。


そのモニターにはさっき男性教師に連れられて言った佐野君の姿が映し出された。


今学校の下駄箱を出た所のようだけれど、佐野君の両端にはまだ男性教師２人がついていた。


佐野君はいまだに抵抗を繰り返し、教師２人へ向けて罵声を浴びせている。


それでも教師２人は表情に１つ変えず、佐野君をむりやり教員用の駐車場へと連れて行った。


「どこに連れて行く気だ！」


モニター上の佐野君が叫ぶ。


心なしか佐野君の顔色が悪くなっている。