新・イジメ．COM
普通の学校ならここまで強引なことはしないと、もう感づいているのだろう。


「黙れ」


男性教師の１人が一括し、佐野君の体を黒い車に押し込んだ。


すると、モニター画面は車内へと切り替わった。


色々なところにカメラが設置されているようだ。


「おい、こんなことして許されると思ってんのかよ！」


１人の教師が運転を開始し、もう１人の教師は佐野君の隣に座ってその腕をガッチリと掴んでいる。


これじゃ逃げ道はないも同然だった。


「俺の親は市議会議員だぞ！！」


佐野君は怒鳴り声を上げて威嚇を繰り返す。


「あ～あ～、醜いなあぁ。親の金で学校に行って、親の名前を使って偉そうな顔してよぉ」


モニターを見ていた田中先生が大げさなため息を吐き出した。


あたしもそう思う。


佐野君の態度は横柄だし、反省しているとは思えない。


でも、ほぼ拘束状態で無理矢理車に乗せるのが正しいとも思えなかった。

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