新・イジメ.COM
☆☆☆

「入学式やっと終わったねぇ」


席を立った渚はそう言って大きく伸びをした。


「うん」


あたしは頷きながら畠平さんの姿を探す。


入学式が終った後はクラス割を確認して、各自クラスに移動するようになっているから、畠平さんは先に行ってしまったのかもしれない。


「ここって開放的でいいよねぇ」


後ろから知った声が聞こえてきて振り向くと、武智美文(タケチ ミフミ)が立っていた。


美文は小学校の頃の同級生で、5年生に上がる頃転校して行った生徒だった。


それがまさかこんな場所で再開するなんて思ってもいなかった。


昨晩寮生の顔合わせの会をしたときに偶然見かけて、お互いに驚いたところだった。


「そうだよね。校舎からは海が見えるらしいよ」


そう答えたのは渚だった。


昨日顔を合わせたばかりの2人だけど、すぐに打ち解けてしまった。


「それって最高じゃん! ねぇ真奈美?」


「うん、そうだね」


「どうしたの真奈美、気のない返事して」
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