新・イジメ.COM
☆☆☆

結局、あたしは克己に押し切られる形で砂浜へ向かっていた。


歩いて一周できるくらいの小さな島だから、まだよかった。


「写真ではここが写ってたと思うんだけどな」


波はおだやかで心地い潮風が吹いている。


見渡す限りの砂浜で、こんなところに人間の頭部が転がっているなんて、到底思えなかった。


「なにもないね。やっぱりあれは偽物だったのかも」


ホッとしてそう言った時だった。


砂浜の端の方に岩場があり、そこにカラスが群がっているのが目に入った。


魚でも打ち上げられているのかもしれない。


でも、それにしては数が多いような……。


不審に感じて数歩近づいた。


カラスたちは一心不乱になにかをついばんでいる。
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