新・イジメ.COM
制裁
それから何事もなく時間は流れて行った。


事前に予習をしておいたおかげで勉強につまづくこともなく、先生の説明もどんどん頭に入って来る。


中学時代は勉強が大嫌いで、難しいものだと思い込んでいたけれど、友人同士で真面目に予習復習をしていれば授業も楽しいものなのだと、初めて知った。


「真奈美、一緒に学食に行くでしょ?」


今日から6時間授業のため、4時間目が終わってから渚がそう声をかけてきた。


「うん。美文と克己も一緒に――」


そこまで言った時、チャイムが鳴り始めてあたしは口を閉じた。


4時間目が終わるチャイムはさっき鳴ったばかりだ。


「これ、なんのチャイム?」


あたしの席に近づいて来た美文がそう言うので、あたしは首を傾げた。


すると……。


《みなさまこんにちは。


今日は違反行為があったため、これから制裁を行います》


その機械声にクラス内は一瞬にして静まり返った。


全員私語をやめ、固唾を飲んでスピーカーに聞き入っている。

< 56 / 242 >

この作品をシェア

pagetop