新・イジメ．COM

《みなさま、教室の窓へと移動してください》


そのアナウンスにあたしたち３人は目を見交わせ、立ち上がった。


窓から見えるのは遠くの海と、広いグラウンドだった。


「お、おい！　あれ！」


１人の男子生徒が何かに気が付いて声を上げ、指を差した。


その指先を追いかけて視線を移動させていくと、グラウンドの中央に十字架に立てられた丸太が設置されているのがわかった。


「あんなの、朝あった？」


美文が眉を寄せてそう聞いてくる。


「ううん。見てないと思う」


渚が返事をする。


どうやらあたしたちが授業を受けている間に設置されたもののようだ。


あれは一体なんなんだろう？


そう思っていると、教師２人に引きずられるようにして歩く和重が現れたのだ。