新・イジメ．COM
その時だった。


突然教室のドアが開き、一斉に振り向いた。


そこに立っていたのは田中先生だ。


高名先生は菓子パンを片手に持ち、窓へと近づいてくる。


「この島は野犬が多いんだ。特に人間をかみ殺すような野蛮なヤツがな」


田中先生はそう言い、菓子パンを噛み千切って粗食する。


「あ！」


誰かがそう叫び、再び視線は窓の外へと向けられた。


学校横の森から３匹の犬が飛び出して来るのが見えた。


犬はどれも黒光りしていて、脱兎のごとく和重へ向かってかけていく。


「来るな！　来るなぁぁ！！」


和重の悲鳴がグラウンドに響き渡る。


しかし、犬は止まらない。


逆側の森からも、肉の臭いを嗅ぎつけた２匹の犬が出て来た。
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