新・イジメ．COM

和重の体に到着した犬は躊躇することなく、生肉に被りついた。


固定されているにも関わらず、その紐を引きちぎって食べて行く。


「よぉく見てろよ。この学校、このアプリの命令を無視したらどうなるか」


田中先生はそう言い、肩を揺らして笑う。


この状況を心から楽しんでいるように見えて吐き気がした。


出て来た野犬はあっという間に生肉を食べ終えが、まだお腹が空いているのか帰ろうとしない。


それ所か、今度は和重に狙いを定めていた。


「先生止めて！」


美文が叫ぶが、田中先生はグラウンドの様子を楽し気に見つけているばかりだ。


やがて、一匹の犬が和重の足首に食らいついた。


牙が深々と食い込み、一気に血があふれ出す。


和重の悲鳴がひときわ甲高くなった。


血の匂いを嗅いだ他の野犬も次々と和重の体に食らいつき始める。


最初に足首に食らいついた犬は、そのまま肉を引きちぎって粗食しはじめた。