新・イジメ.COM
ここへ来たばかりで島から逃げるなんて、考えていなかった。


だけど言われてみれば渚の言う通りだ。


こんな異常な場所にいつまでもいられるワケがなかった。


「でも、船が到着する時は先生たちが待機してるよね?」


美文が言う。


「確かに、島から出ようとしたら船が必要になると思う。でも、イカダなら作れるかもしれない」


渚の言葉にあたしは目を見開いた。


自分たちで乗り物を作って脱出することまで考えていたなんて。


「ここはサメが生息してる場所もあるんだよ? イカダなんて使ったら生きて帰れないかもしれない」


「学校にいたって死ぬかもしれないんだよ?」


美文の言葉を渚が一括してそう言った。


美文はうつむいて黙り込んでしまった。
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