新・イジメ.COM
「脱出するにしてもあたしたち3人じゃ無理だよ」


あたしがそう言った時、畠平さんが談話室のドアを開けた。


「悪いけど、会話が外に筒抜けだよ。それに、ここにも監視カメラがある」


畠平さんはそう言い、壁を指さした。


そこには風景が飾られているだけだ。


「嘘でしょ? 寮内にも……?」


そう呟き、恐る恐る風景画に近づいて少しずらしてみた。


壁には小さく穴があけられていて、その向こうにレンズが光って見えた。


「ひっ!」


思わず悲鳴を上げて飛びのいた。


ちょうど風景画の中心部分は黒く塗りつぶされていて、そこから撮影できるように穴があけられている状態だ。


「今の会話は全部聞かれてるから、やらない方がいい」


畠平さんは冷静な口調でそう言ってソファに座った。
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