新・イジメ.COM
「こんなんで本当に本土まで行ける?」


ここから本土まで、船で2時間はかかる距離だ。


それを、ゴムボートで渡るなんて無謀なチャレンジにしか思えなかった。


「わからない。でも、これに乗れば島から出られる可能性は出て来る。乗らなければ、可能性はゼロだ」


克己にそう言われてあたしはグッと黙り込んだ。


確かにその通りだ。


危険をおかしてここまで来たのにパアになってしまうのも嫌だった。


「わかった。行こう」


あたしは覚悟を決めてそう言ったのだった。
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