新・イジメ．COM
カップル
翌日は重たい気分で朝が来た。


あれから無事に寮に戻って来られたものの、脱出に失敗したショックと友人たちへの気まずさがあたしの胸に重たくのしかかってきている。


思えば佐野君のときからやる事は派手だった。


あれはあたしたちを服従させる目的もあったかもしれないが、一番の目的は視聴者を楽しませるためだったのかもしれない。


画面上で派手に暴れ回っているほうが、見ている側の人間は喜ぶから。


「どうしたの真奈美、目の下真っ黒だよ？」


洗面所で顔を合わせた美文が驚いたようにそう言って来た。


「うん……。ちょっと眠れなくて」


そう言って苦笑いを浮かべる。


今は渚や美文の顔を真っ直ぐに見ることができなかった。


「でも大丈夫だからね」


あたしはそう言うと、そそくさと洗面所を退散したのだった。

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