新・イジメ.COM
☆☆☆

畠平さんがいたのは人のいない空き教室だった。


机も椅子も搬入されていないその教室は窓もドアも開け放たれて、換気されている最中だったみたいだ。


「どうしてこんなところにいるの?」


窓際に立っていた畠平さんへそう聞くと「ここなら監視カメラがないと思って」と、答えてくれた。


「え!?」


確かに、まだ使われていない教室だから監視されていない可能性がある!


そう思って喜んだのもつかの間、「でもあった。同じ場所に同じ個数」と、畠平さんはため息まじりに言った。


「そっか……」


「そんなことより、メールは見たの?」


美文が畠平さんにそう聞いた。


「メール? スマホなら鞄の中に置いて来た」


やっぱり見ていなかったようだ。
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