新・イジメ.COM
☆☆☆

畠平さんについて行くと、今林大志は屋上へと続く階段の途中にいた。


階段に座り、タバコを吸っていたようだ。


「なんだよお前ら、俺をイジメに来たのか?」


大志はそう聞きながら立ち上がり、タバコを踏みつけて火を消した。


どうやらメールはすでに読んでいるようだ。


「そうだよ」


畠平さんは躊躇なくそう言い、大志へと近づいて行く。


「あのアプリはなんなんだろうな? 本当にわけわかんねぇ」


そう呟く大志の隣に立った畠平さんは、突如大志の背中を押したのだ。


咄嗟のことで大志はなんの反応も取れなかった。


階段途中にいた大志の体がグラリと揺れて、そのままこちらへ落下してきたのだ。


「危ない!」


無意識にそう叫び、体を避ける。


数秒後、あたしがいた場所に大志が転げ落ちて来た。
< 85 / 242 >

この作品をシェア

pagetop