新・イジメ.COM
☆☆☆

まだ時間が早いこともあり、学校内はとても静かだった。


生徒の姿もまばらで、自分たちの足音がやけに大きく聞こえて来る。


「どうする? 教室へ行く前に3組を覗いてみる?」


渚にそう聞かれてあたしは頷いた。


授業開始までにはまだまだ時間があるし、畠平さんがどこにいるのか確認しておきたかった。


階段を上がって1年生の階に到着した時、廊下の奥に何か黒っぽいものがある事に気が付いた。


遠くてここからじゃよくわからないけれど、それは昨日まではなかったものだ。


「ねぇ、あれってなんんだろう?」


あたしはそれを指さして2人へ訊ねた。


「なんだろうね? 確認してみる?」


美文がそう言い、あたしたちの前を歩き出した。


1組を通り過ぎ、2組と通り過ぎ、3組の前に来たとき、あたしたちは一度立ち止まった。


開いていている3組の教室内を確認してみても、そこには誰の姿もなかった。
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