新・イジメ.COM
「あれ、畠平さんの鞄かな?」


渚が机の横にかけられている鞄に気が付いてそう言った。


「本当だ、誰か来てるね」


もしかしたら畠平さんかもしれない。


でも、気になったのは鞄が1つではなかったことだった。


もう1人、誰かの机に鞄がかけられているのだ。


少なくとも2人は登校して来ていることになる。


その事実になんだか胸騒ぎを感じた。


早く畠平さんを探した方がいいかもしれない。


昨日の青ざめた顔を思い出すと、そう感じた。


「ねぇ……もしかしてあれって……」


美文が何かに気が付いたようにそう言い、廊下の奥へと指を向けた。


そこには相変わらず黒っぽい何かが置かれている。
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