新・イジメ.COM
肩に手をかけて顔を確認すると、その顔は真っ赤に腫れ上がり、いたる場所から血が流れ出していた。


誰なのか判断できないほど殴られている。


しかし、胸に付けられたネームは確かに畠平さんのものだった。


「畠平さん! しっかりして!」


美文が悲鳴に近い声を上げる。


焦っているせいでなにをどうすればいいのかわからない。


救急車を呼ぼうにも、この島にそんなものはなかった。


とにかく誰か処置できる人を呼ばないといけない。


「先生を……呼ばなきゃ!」


この島で信用できる大人なんていない。


でも、今はそれしかなかったのだった。
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