新・イジメ.COM
☆☆☆

みんなが登校してきた頃、畠平さんのことはすぐに知れ渡ることになっていた。


あたしたちが話したわけじゃなく、先生たちが事前に説明したようだ。


普通、学校内でこんなことが起こると秘密にしたがるものだけれど、この学校は違った。


畠平さんの事件をわざと大事にして、面白がっているようにすら見えた。


「あ~あ、さすがだなぁお前ら。ここに推薦入学できただけあるなぁ」


ホームルームが始まると田中先生がケラケラと笑い後を上げてそう言った。


「吉谷と志田と武智の3人。本当にお前らがやったんじゃないんだな?」


その質問にあたしは一瞬にして青ざめた。


たしかにあたし達が第一発見者だけれど、クラスメートたちの前で容疑者扱いするなんてひどすぎる。


「あたしたちじゃありません!」


美文が涙声で訴えた。


あれだけの危害が加えられていたのだから、もっと力の強い人間の仕業だと田中先生だって気が付いているはずだ。


わざとあたしたちの立場が悪くなるように、仕向けられているような気がした。

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