洗脳学級
☆☆☆

卓治にも成仁にもアプリを教えてしまったから、これから先は2人の実力次第ということになりそうだ。


「これで良かったんだよ」


そう言ったのは佑里香だった。


「うん。片方だけアプリを使ってるなんて、フェアじゃないもんね?」


あたしは自分に言い聞かせるようにそう言った。


あのアプリは成仁を怪我に追い込んでいるから、どんな回答をするかわからない。


その恐怖心を無理矢理見ないふりをした。


「あ、やばい」


なにか思い出したように、美世がそう呟いた。


「どうしたの?」


「次の授業あたしが当てられる番だった」


「なんだそんなこと? アプリに聞けばいいじゃん」


佑里香が欠伸をしながらそう言う。


すっかりアプリに馴れた様子だ。

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