洗脳学級
目撃
放課後になると、あたしは１人で買い物へ向かっていた。


すぐに換える商品ではないけれど、一応メーク道具を見てみようと思ったのだ。


もしかしたら安売りとかしているかもしれないし。


小さな期待を胸にデパートへ向かうと、すぐ目の前に化粧品店がズラリと並ぶ。


化粧や香水のどくとくの匂いに酔いそうになりながらも、あたしはお目当てのお店へと足を進めた。


若い子たちにも人気のメーカーだけあって、大学生くらいの子が数人メーク用品を見ている。


ショーケースに入れられたメーク道具を見て見ると、案の定数千円の価格が貼られていてため息を吐きだした。


こんなんじゃ簡単には買えそうにない。


佑里香の言う通りアルバイトでもしないと……。


「なにかお探しですか？」


綺麗にメークをした店員さんにそう声をかけられて、思わず後ずさりをしてしまう。


こんな高価な化粧品を買わされたら、今月のお小遣いがなくなってしまう。


「いえ、大丈夫です」


あたしはそう言い、逃げるようにお店を後にしたのだった。

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