洗脳学級
《麗衣:あの子はイジメられっ子だったんでしょ? あのアプリを使ったのは正解だと思うよ!》


同じクラスの想を見ていても、最近明らかに変わってきている。


前よりもずっと積極的な性格になったし、浩哉からやられっぱなしでもなくなった。


それは良い変化に見えていた。


《美世:でもさ……》


《佑里香:美世はあたしに気にし過ぎって言ってたよね? 今度は美世が気にし過ぎなんじゃない?》


《美世:……そうなのかな》


《麗衣:そうだよ! 美世はもうアプリを消したんでしょ? それなら関係ないじゃん》


アプリのおかげで5万円近くするメーク道具だって手に入った。


今のあたしにはこのアプリはなくてはならないものなんだ。


それを否定されるのが嫌で、ついキツイ言葉を書きこんでしまった。


《美世:そうだね。ごめん》


美世はそれっきり、メッセージを送って来なかったのだった。
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