洗脳学級
「ちょっと、メーク頑張ってみたの」


あたしはそう返事をして2人へ近づいた。


「いいじゃん! 大人っぽくて似合ってる」


美世はそう言って自分のことのように興奮している。


「ありがとう。これ、アプリに質問して自分に似合うメーク方法を教えてもらったんだよ」


あたしがそう言うと美世は一瞬複雑そうな表情を浮かべた。


しかし、それもすぐに消えて笑顔になる。


「そっか。やっぱりあのアプリってすごいんだね」


「そうだよ」


「あたしもメーク方法質問してみようかなぁ。麗衣の変わりようを見てたら、あたしも頑張りたくなっちゃう!」


そう言ったのは佑里香だった。


佑里香は普段日焼け止めくらいしか使っていないのに、こういう風に興味を持ってくれることは嬉しかった。


「あ……」


ふと教室前方のドアへ視線を向けると、ちょうど昌一が登校してきたところだった。


昌一の顔を見た瞬間、ドクンッと大きく心臓が跳ねる。
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