洗脳学級
想の言うことを聞けば付き合うことができるんだから、フェアなはずだ。


イジメとは違う。


「なんで……なんでみんな助けてくれないの!?」


悲鳴に近い声でカノンが叫ぶ。


けれど、カノンに手を差し伸べようとする生徒は1人もいなかった。


浩哉1人が必死に助けようともがいている。


その光景すら、見ていて面白いと感じている自分がいた。


「仕方ないよ。自業自得なんだから」


佑里香が冷めた声でそう言った瞬間、想がカノンのブラウスを引き裂いたのだった。

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