洗脳学級
《麗衣:美世もそう思う?》


《美世:うん》


《佑里香:ただの偶然だよ。アプリからの答えなんて無視すればいいのに、それを実行するからじゃん》


佑里香は当初のあたしみたいな意見を言っている。


本当に別人のようだった。


《麗衣:確かに偶然かもしれない。でも、一旦アプリを辞めてみてもいいかもしれないよね》


その書き込みには、しばらく返事がこなかった。


美世はすでに消してしまっているから、佑里香からの返事待ちだ。


《佑里香:わかった。それなら一旦消してみよう》


その返信を見て、ひとまず安堵した。


あのアプリを使い始めてから、クラス内の雰囲気が徐々に変わってきている気もする。


カノンがイジメられている間誰も助けなかったし、あたし自身すごく楽しんでいた。


部屋で1人になって思い返してみると、正常な状態だとは言えなかった。


まるでクラス全体が洗脳されているような、そんな感じ。


一度アプリを消して様子を見てみれば、その原因もわかるかもしれない。

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