洗脳学級
どうしたんだろう。


風邪でもひいたかな?


そう思いながらアプリのアンインストールボタンを表示させた。


これをタップすれば消える。


ただそれだけのことだ。


佑里香もボタンを表示させていて、あとはタップするたけの状態になっている。


しかし、そこから先が動けなかった。


指先がガタガタと震はじめ、スマホを持っていることができない。


こめかみから汗が流れて机に落ちた。


さっきよりも気分が悪くなり、あたしは口元を押さえて立ち上がっていた。


しかし、あたしより先にトイレへ走っていたのは佑里香の方だった。


個室へと走り、激しく嘔吐する。


「ちょっと2人とも大丈夫?」


慌てて美世が追いかけてきたけれど、あたしたちはそれに返事をすることもできなかったのだった。
< 156 / 248 >

この作品をシェア

pagetop