洗脳学級
☆☆☆

家に戻ったあたしはすぐにベッドにダイブした。


さすがに葬儀と授業の後は疲れが貯まっていた。


今日も宿題が出ていたけれど、そんなの後回しで休憩したかった。


今日の昌一の様子を思い出すと胸の奥がモヤモヤしてくる。


あたしには昌一の気持ちがわからない。


理解したいと思えば思うほど、なぜか気分が悪くなった。


でも、このままじゃ昌一に嫌われてしまうかもしれないのだ。


それだけは、どうしても避けたかった。


「やっぱり、アプリに質問するしかないよね」


あたしはそう呟き、上半身を起こしてスマホを手に取った。


この前だってメークをしたあたしを昌一は褒めてくれたんだ。


あれであたし達の距離は随分と縮まった気がする。


だから次だってアプリに質問をすればきっとうまくいくはずなんだ。


「昌一の彼女になりたいの。どうすればいい?」


《ボクが解決してあげる! ダイエットをすればいいよ!》


飛び跳ねるウサギの回答に、あたしは図星を突かれた気分になった。
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