洗脳学級
☆☆☆

その日からあたしのダイエットは始まった。


夜と朝は体調が悪いということにして誤魔化して、お弁当はちゃんと持って学校へと来ていた。


「あれ、今日ご飯は?」


昼休憩になって美世にそう聞かれたので「今日は食べないの」と、返事をした。


「どうしたの?」


「ちょっとダイエット。あ、お弁当は美世と佑里香で食べてくれないかな?」


そう言って机の上に自分のお弁当箱を広げた。


お昼の匂いがするから、早く教室から出て行きたかった。


「ダイエットって……。ご飯は食べないとダメでしょ?」


佑里香もそんなつまらないことを言ってくる。


「いいの。あたしは一週間で3キロ痩せないといけないんだから、食べてる場合じゃないんだから」


「一週間で3キロ? なにかあるの?」


美世にそう聞かれたので、あたしは大きく頷いた。


「アプリにそう言われたから、やるんだよ」


あたしはそう返事をして、昼食の匂いから逃げるために教室から出たのだった。
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