洗脳学級
気が付く
無理なダイエットを始めて3日が経過していた。


3日間なにも食べていないと、体がどんどん軽くなっていく気がする。


1日目は空腹で仕方なかったけれど、今はその感覚も薄れていた。


家の中での食事はアプリが助言してくれた通り、部屋の中で行うことにした。


もちろん、一口も食べていない。


両親はあたしの行動を不審がっているけれど、とにかく食べなければいいだけのことなのだ。


これほど簡単なダイエット方法、どうして今までやってこなかったんだろう。


「麗衣、ちょっと痩せた?」


教室へ入ると、昌一がすぐにそう声をかけて来てくれた。


あたしは嬉しさを押し込めて「そうかな?」と、首を傾げて見せた。


本当はこの3日間で2キロ以上の減量に成功している。


顔についた肉もスッキリしてきていた。


昌一がすぐにその変化に気が付いてくれたことが、嬉しかった。


「もしかしてダイエットとか? 最近昼食ってるの見てないけど」


その言葉にあたしは目を丸くして昌一を見た。


まさか、昌一がそこまであたしのことを見てくれているとは思っていなかった。

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