洗脳学級
「ねぇ、さっきからなんか面白そうじゃん?」


その声はカノンのもので、あたしは少し警戒しながら振り向いた。


カノンとはグル―プが違うから、こうして会話することはほとんどない。


しかし、面白いものが大好きなカノンなので、こうしてわざわざ話かけて来たのだろう。


「沙月に教えてもらったアプリだよ」


あたしはそう言って、スマホに表示されているウサギをカノンへ見せた。


「ウサギ?」


「学習能力のあるウサギ。こっちの会話にもちゃんとついて来てくれるよ」


そう説明したのは美世だった。


「へぇ。AIってこと? このウサギを育てて遊んでるの?」


「ううん。質問をすると、このウサギが答えてくれるの」


あたしがそう言うと、途端にカノンはつまらなさそうな表情になった。


「それだけ?」


「でも、結構すごいんだよ?」


意外にも、佑里香がカノンを引き止めるように口を開いた。
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