洗脳学級
☆☆☆

グラウンドに出ると、もう数人の生徒たちが集まっている状態だった。


卓治は再び立ち上がり、ボールを追いかけている。


「2人ともなにしてんの!?」


グラウンドに入り声をかけるが、2人ともあたしに気が付いていない。


1つのボールを追いかけて足を引きずりながら走っている。


こんなことをして怪我が長引けば、次の大会所ではなくなってしまうかもしれない。


「アプリだよ」


そう言ったのは佑里香だった。


「え?」


驚いて振り向くと、ベンチには2人のスマホが置かれていて、画面にはウサギが表示されていた。


「きっと、どちらが強いか決着をつけろって助言したんだよ」


佑里香はそう言い、なぜだか口もとに笑みを浮かべた。


「このアプリは止まらない。もう、止まることはないんだよ」


「どうしてそんなこと言うの?」


笑っている佑里香に恐怖を感じて、後ずさりをした。
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