洗脳学級
「すごいってなにが? 会話の中で質問をしたら、答えてくれるだけでしょ? いまどき珍しくないじゃん」


カノンはきっと、天気予報とか今日のニュースとかを読み上げてくれるAiの事を言っているのだろう。


でも、これは段違いだ。


「そうじゃないよ。例えば、ほら」


あたしは机の中から小テストの答案用紙を取り出してカノンに見せた。


「それ、今日のテスト? すごいじゃん、100点?」


「あたし、数学は苦手だから小テストでも100点なんて取れないよ?」


「でも取ってるじゃん」


そう言うカノンにあたしはスマホ上のウサギを指さした。


「これにテストに出る問題を質問したら、教えてくれたの」


「え……?」


カノンは目を丸くしてスマホを見つめる。
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